満濃池(まんのういけ) |
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日本最大級のため池・貯水量。四国初の世界かんがい施設遺産 |
満濃池のゆる抜き
江戸時代以前から行われている行事で、讃岐平野の本格的な田植えシーズンの到来を告げるイベントとして、毎年6月中旬に行われる。
大勢の見物客が訪れ、堤の上は人々で埋め尽くされるが、昔は今以上の賑々しさであったようだ。
取水塔が設置される大正三年以前の「ユル抜き」は豪快なものだったという。赤や青の褌姿の若者が竪樋に五メートル程の檜の棒を差し込み、水利組合長の打ち振る御幣と“満濃のユル抜き どっとせーい”の音頭に合わせた威勢のよいかけ声とともに、差し込んだ棒をゆっくりと押さえて、少しずつ筆木を抜き上げてゆく。そんな様子を息を詰めて見つめる人々。「ユル抜き」はこの地方の初夏の風物詩であり、歳時記でもあった。